三山株式会社 様
戦後間もない頃『三山商店』として開店以来、物不足の時代から常にお客様第一の経営を行ない、ミシン糸とニット用先染糸の生産販売メーカーとして世界にも進出する三山株式会社(以下、同社)さま。
「高品質」「デリバリー」「信頼性」をキーワードに強い理念を持って生産される同社の製品は、トレードマークであるカブト印とともに国内外を問わず愛され続けています。
海外取引開始当初から続いた手作業による貿易業務を改善し、より効率的に海外とのやりとりを行なうため、「貿易業向けシステム(VPort)」の導入を決定されました。導入に際して検討されたポイントや、導入による効果など、詳しいお話をお聞きしました。
代表者 | 代表取締役社長 三山 雅史 |
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資本金 | 1億円 |
会社創立 | 1951年1月 |
事業内容 | アパレル縫製用ミシン糸・ニット用先染糸 及び副資材の製造・加工・販売・貿易 |
ウェブサイト | http://www.miyama-tex.co.jp/(別画面にて開きます) |
導入前の課題
- 手書きやエクセル等で作られていたドキュメントや台帳のシステム化
- 煩雑になっていた取引業務をシンプルに改善
導入の背景
-貿易システムの導入を検討されていた当時のお話をお聞かせください。-
当社はもともと国内のミシン糸メーカーとして設立しており、海外事業は約20年前から展開しております。
香港からはじまり中国、アメリカと進出していく中で、中国に染色工場を立ち上げ、同じように海外生産の依存度が高くなっていたセーター等ニットや靴下のメーカーさんと中国に合弁会社を設立しました。
もともとは国内で糸一本からでも販売するという姿勢だったので、なかなか海外事業の体制が整わず、業務だけが増えていってシステム化が追いつかない、という問題がありました。当初は担当者ごとに手書き台帳やエクセル等で海外書類を作成しており、会社として統一したシステムがない状態が続いていたんです。海外での少品種大量生産の時代はそれでもよかったんですが、多品種少量生産に変わってくるとともに、管理が難しくなっていきました。
実は海外事業を始めてから8年ほど経った時に、一度システム化しようとして挫折しているんです。個人管理のイレギュラーな部分までシステムに取り込もうとしたことや、海外との調整がうまくいかなかったことが原因で、これらに対応するにはカスタマイズしたシステムしかあり得ず、かなり高額になってしまい、断念しました。
-再びシステム化を検討されたきっかけは何でしたか?-
まず、システム化しておかないと、貿易課に入ってきた新人が業務を覚えるのに時間がかかってしまい、なかなか戦力にならない、ということがありました。それに、国内が主流の会社ですから、海外事業がなにをやっているのか伝わりにくく、いろいろな部分で理解されないことが多かったんです。
また、経験とともにスタッフが育ち、各員が責任感を持ってシステム導入の検討に当たれたことも大きな理由ですね。
導入のポイント
-弊社製品をご検討いただけるポイントとなった部分は何でしたか?-
当初、3社の製品を比較検討しました。内田洋行ITソリューションズ(以下、ITS)さんは一番最後に入ってこられたんですが、担当営業さんの雰囲気も良く、熱心にスタッフの話を聞いてくれました。
こちらが重視したのは、実際に書類を作成する現場スタッフの意見でした。しかし日々の業務との並行作業でなかなかシステムの選定に時間をかけられず、各社から貸し出してもらったデモ機もあまり触れないまま、という状態だったんです。そこでITSさんからの提案で、ITS本社にデモ環境を用意してもらい、業務から完全に離れた状態で、具体的なシミュレーションなどを行なうことが出来たんです。インストラクターさんに質問を繰り返しながらシステムを触ることで、初めて利用イメージが湧いたんです。その時点でほぼ「貿易業向けシステム(VPort)」に決めていましたね。
-導入にあたって課題や不安、問題点はありましたか?-
パッケージソフトと基幹システムの連携部分を調整するのに苦労しましたが、ITSのシステム担当さんと相談して、ひとつずつ解決していきました。
たとえばコード体系。基幹システムはシビアに作られていますが、「Usolia貿易業向けシステム(VPort)」は柔軟に出来ていて、その違いがエラーを生む、といった具合です。
しかし、「Usolia貿易業向けシステム(VPort)」の細かな仕様やデータベースの構成なども説明してもらえたので、最終的には双方に密着したシステム作りを行なうことが出来ましたね。
とにかく何か疑問があるたびにITSさんに連絡を入れました。システム担当者さんが電話の向こうで同じ画面を観ながら丁寧に教えてくれたので、分かりやすかったです。
また、エクセルに慣れているスタッフからは反発も多く、今後システムを使っていく意識を浸透させるために一人一人と話をしたりもしましたが、もう一方で各個人がこれまで行なっていた業務の方法をITSさんに伝えました。
それに対して「これはカスタマイズで対応しましょう」「これはこういう代替案があります」と細やかに対応していただき、効率よく進めることが出来ました。
導入後の効果
-「VPortSuper」の導入効果はいかがですか?-
全体で見て、ほぼ100%満足していますね。社内の業務の流れやチェックの機能等、非常にうまく動いていると思います。
これまで山積みにして管理していたノートや台帳が無くなったのも大きいですね。会社からは「システムを入れるからにはノートを無くすように」と言われていたのですが、導入して本当に無くなるとは思っていませんでした。ノートで書いていたデメリットとして、担当者しかわからない情報が多い、という問題があったのですが、今ではデータで呼び出すことができますから、問い合わせ対応も早くなりました。
現場においても、基本的なライン、主軸の業務についてはほとんど固まっています。あとはイレギュラーな部分、たとえば有償・無償など、パターンの違う処理が発生した場合に、どうすれば正しいデータとして残すことができるのかを、今後の課題としています。このあたりの解決についてもITSさんに相談していますね。本当に丁寧に対応していただいています。
また、伝票処理に関しても相当、時間短縮になっています。それまで半日かかっていた処理が数時間で終了するようになり、ミスも少なくなりました。
現在は基幹システムとの連携も安定しており、スタッフの評判も良いです。本当に選んでよかったですよ。
今後の展開
-三山様の今後の展望と、ITSに期待することをお聞かせください。 -
これから新しい基幹システムや営業支援システムの導入を検討しています。
導入を機に各システム間の連携を構築し、業務の効率化とデータの正確性を高めていきたいと思っています。
今後、どのようなシステムを採用していくかは三井物産の方針もありますが、IT技術について相談をしようというときには、真っ先にITSさんの名前が挙がってくるほど信頼関係が築けました。ここ数年は周辺システムで替えていく所が多分にあるので、そこでもITSさんのアイデアをいただきたいですね。
2012年7月取材(記載内容は取材時の情報を元に構成されています。各種データや組織名、役職などは変更されている場合があります。)